この夏もキッズアースでは野外活動(アースユニット)で宿泊を伴ったプログラムを2つ実
施しました。7月には一泊で「磯の生物」をテーマに三浦半島へ。このプログラムは元々、3
年前からお付き合いいただいている東京海洋大学の佐々木先生の協力で企画したものを、今回
は以前、キッズアースのスタッフで現在は環境教育のNPOで働いている寺田先生の協力を得
て、リニューアルしたものでした。かなりマニアックな生物でも種類分けの出来る寺田先生の
指導のもとで、しっかりと仮説を立てて、それに対して実際に調査し、しっかりとレポートに
まとめて、最後に発表をするという一連のプログラムを、最初緊張していた初参加の1年生ま
でもがしっかりとこなしてくれました。
また、二泊三日では昨年と同じく岐阜県瑞浪市へ化石の採集と、今回は昨年話題になり現在も
大人気の名古屋市科学館の世界最大のプラネタリウムへと行ってきました。
同じ場所にもかかわらず2度目の参加の生徒も何人かいて、昨年以上に張り切って取り組んで
くれましたし、今回は遠距離にもかかわらずアースユニット初参加の子や、低学年の子の割合
も多く、少し心配でしたが、予想以上に積極的で元気で、最後まで予定通りにスムーズに進行
することが出来ました。
私たちの実施しているアースユニットは単なる野外の体験学習ではありません。所謂、学習塾
の勉強合宿と同じように、「より具体的な学習」をすることを目的としています。
実際に、1日は野外には出ず、教室での講義やノート作成、プレゼンテーションに多くの時間
を費やしています。もちろんスタッフも子ども達の消灯後、また、プログラムが全て終了した
後、参加者一人一人についての1日の行動についての反省会や評価表(ステップアップシー
ト)のまとめの作業が深夜まで及びます。そんなプログラムなので、子どもたちにとっては最
初、少し勉強としての負担を感じさせているかもしれません。実際にプレゼンテーションが苦
手で、参加に二の足を踏んでいる生徒もいますし、低学年の子どもにとっては少し内容が難し
いかもしれません。それでも参加してくれた子どもたちはやはり大好きなフィールド実習を、
グループのメンバーと協力して行い、たった数泊でもそのメンバー達と生活までも共有するこ
とで、大人が想像する以上にモチベーションを上げています。かつて少しだけ「楽しい」とい
うことに主眼を置くべきかな、と考えたことがあります。しかしながら、本当に子ども達の
「真のやる気」を引き出し、「自立して学習する力」を身につけるためには、逆にもっともっ
と内容を「深化」させるべきだと、特に常連で参加してくれている子どもたちの成長ぶりを見
て、今は思っています。
この夏も、一つの試練を”楽しんで”乗り越え、一歩も二歩も成長してくれた皆の姿を見て、
今後もより内容の濃いプログラム作りに挑戦しようという思いを強くさせられました。
キッズアース 小泉 力
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皆様、新年明けましておめでとうございます。
キッズアースの2012年度の授業は2月の中旬で終了致します。
お陰様で殆どの皆さんが今年も継続して通っていただけることになりました。また一つ成長していく子どもたちの姿と日々お付き合いさせていただきながら、また1年、私たちも全力で授業に取り組みたいと思いますので宜しくお願い致します。特に、残念ながら今年度でキッズアースを卒業する皆さんとも、最後の最後まで楽しく授業をしていきたいと思っていますので宜しくお願いします!
年が明けるとすぐに、中学受験をする皆さんは大忙しとなりますが、キッズアースの生徒の中にも、あるいは、受験勉強のために途中で卒業した生徒たちの中にも、小学生としては最大の試練となる、この受験というものに立ち向かう時がやって来ました。2年前から始めたのですが、戦いに挑むキッズアースの子どもたちに、少しでも勇気を与えてあげたいと思い、鎌倉の荏柄天神社にお参りに行くことにしています。昨年の1月号でも紹介したのですが、荏柄天神社は京都の北野天満宮と同じく、学問の神様と言われる菅原道真が祀られています。有名といえば有名なのですが、あまり大きくない神社なので、普段はそれほど混むこともなくお参り出来ますが、さすがに1月は、同じように合格祈願をする人たちの行列が出来ています。その人々の中にいると、こちらまで緊張感が伝わってきて身が引きしまる思いがします。
もちろん、合格することがゴールではないのですが、まずは一つの目標に向かって頑張ってきた皆さんであれば、全力を尽くすことによりその後の人生の大きな自信になるはずです。そして、本番になれば周りの人たちは誰ひとり力を貸すことはできません。自分ひとりの力で乗り越えなければなりません。頑張って乗り越えれば、たとえどんな結果に終わろうとも人として大きく成長することになると信じています。
最後は気合です! みんな頑張れ!!
キッズアース
小泉 力
早いもので今年もあと2カ月となりました。○○才を過ぎてからは本当に1年が過ぎて行くのがあっと言う間で、とても計画性があるとは言えなかった今までの生き方を反省し、少しは今後の人生について少しは計画性を持たないとまずいな、と感じている今日この頃です。
振りかえれば学生時代、もともとは教員になりたくてその道の学校を選んだ自分でしたが、いざ将来の仕事について今一度考えた時に、まずは広い世間を知ってからその道を目指すべきか、との迷いが生じ、結局どちらも中途半端で、会社選びなどあまり真剣に考えず、取りあえず採用された一般企業に就職を決めました。当時はフリーターなどという言葉もなく、現在のようにやりたいことを追い続けるためだとか言って、卒業しても働かないという選択肢もあまりなく、しかも終身雇用がまだ生きていた時代なので、今考えると非常に無計画極まりない人生を送って来ました。
時代も移り変わり、昨今は確かに日本も成長経済を終了して、若者が希望を持って働くということが難しい時代になったことは事実でしょう。確かに就職が難しい時代になったのも事実だとは思います。しかしながら夢を追って選択肢を広げ、中々現実の世界に身を置こうとしない人たちも増えているようにも思えます。
先日、児童養護施設の青年たちの就職を斡旋するNPO団体の代表のお話を伺いました。もちろんこういった施設出身の子どもたちは中々就職することが大変らしいのですが、その代表曰く、誰にも頼れない彼らは、根本的に“食うために働く“という姿勢で仕事に臨み、故にどんな仕事に対しても手を抜かず積極的に取り組んでくれる子が本当に多いのです、と。
好きなことを仕事にするためには、その何倍ものやりたくない事をする必要があったり、自分のやりたい事を見つけるためには、たとえどんな仕事であろうと、まずは目の前の仕事にガムシャラに取り組むしかないということを中々理解できない若者が増える中で、彼らのような人材が、もっともっと活躍できる場をつくるべきことを力説される若干30歳のその代表の力強い言葉を聞きながら、根本的には、子どもの時代は特にメリットばかりを考えるのではなく、一度取り組むと決めたことに関しては勉強にしても習い事にしてもある程度の目標まではガムシャラにやり抜くということを支援していくことが、私たち大人の義務であることをあらためて強く感じました。
キッズアース
小泉 力
今年も新たなる1年がスタートしました。
キッズアースもお陰さまで、早くも開校から5年間が過ぎようとしています。
毎年毎年、同じような年はなく、本当に格闘と試行錯誤の5年間でありました。
節目の年を迎えて、少し自分なりに何のために仕事をするのかを考えてみました。
私も、かつて高校3年生の時に大学進学をするのにあたって、将来自分は何になるべきかを多少考えてみたように思います。あの頃は、確か、小学校の先生になるのもいいなぁと、かなり軽く思いついたような気がします。テレビドラマの青春ものが大好きで、中村雅俊や水谷豊、そして武田鉄也の学園ドラマに片っ端からはまっていたこと、高校生や中学生より小学生のほうが手なずけるのが簡単そうだな・・・という風に、本当に申し訳ないぐらいに軽い理由が発端だったような気がします。しかし、結局は小学校の教員免許も取らず、最初に就職したのは教育とはまったく関係のない職場でした。給料がかなり安かったので、最初は仕方なく、休みの日に自宅で家庭教師まがいのことを始めました。主に中学生が相手だったのですが、これがかなり楽しい。気がつくと5人程の生徒が集まり、なんと給料も本職と同じぐらいになっていました。どうせやるなら楽しい仕事を本職にしようと当時はまだ終身雇用が主流で転職はあまり歓迎されない時代で、在籍していたところも安定した企業ではありましたが、そこに働く上司や先輩の生き方にあまり共感が出来なかったこともあり、20代の後半で教育業界に足を踏み入れることになりました。あれから数十年間、高校生から小学生まで幅広く生徒たちと付き合い、特に目標としたわけではありませんが、とにかく自分なりに懸命に働いているうちに、結局は小学生を専門に教える現在の仕事に落ち着いてしまいました。もちろん、高校時代のように軽々しい気持ちではなく、仕事というものに本当に充実感を感じている毎日です。それは大袈裟な理由ではなく何よりも子どもと一緒に過ごす時が大好きだから・・・というたった一つの理由によるものだということを5年目にして強く感じています。残念ながら私自身には子どもがおりません。だからこそ、キッズアースに通ってくれている様々な個性の子どもたちと接していられる時が本当に楽しくて幸せな時間になっています。もちろん、本当の親を超えられることは絶対にありえませんが、出来る限り親の心に近づいて、子どもたちに接していきたいと思っています。
皆さんとともに成長することを願いながら・・・
今年もよろしくお願いします。
平成24年 元旦
キッズアース
小泉 力
今回、妹たちは参加しなかったのですがお陰さまで秋の信州を満喫してきました。
私の幼少期には、日本はまだ高度成長期の末期にいましたので、バリバリの営業マンをしていた父と平日に顔を会わすことはほとんどなかったように思います。もちろん週休2日制もなく日曜だけが唯一、父親の存在を知る時間となっていたように思います。そんな母子家庭のような中で、しかも妹が二人という女系の家庭に育ったせいか、今でも少しばかり女の子の生徒に甘いのではないかという指摘を他のスタッフから受けことがありました。(苦笑)
そんな父でしたが日曜日には出来るだけ家族そろってどこかへ連れて行くなど、忙しい中で、とても家族を大切にしてくれていたように思います。それはきっと、厳しい仕事の中で家族というものが自分自身の支えとなっていたからなのかもしれません。
言うまでもなく家庭環境は人の成長に大きく影響を与えます。女系家庭の環境のみならず、現在の仕事に直接結びつくわけではありませんが、ほとんど家にいなかった父親の影響も大きく受けて今日の自分があると思っています。
喜ばしいことに昨今は私が子どもの時よりも、まずは家族と過ごす時間を大切にする保護者の方が増えているように思えます。そんな中で子どもたちはより一層の影響を家庭から受けてそれぞれに成長していきます。また、そんな環境の中で育った子どもたちは大人になったときに、自分たち自身もまた家庭を大切にしてくれることと思います。
私たちの教室も少なからず子どもたちの成長に影響を与えるものと思います。子どもたちが大好きな家族に負けないような安心できる場所を、私たちキッズアースも提供していきたいと思います。
キッズアース
小泉 力
]]>― 「父の生き方の基本は、『比べない』ということ。人と比べているかぎり、本当の心の安らぎは得られない、とよく言っていました」と一人さん。「どじょう」は、そんなみつを
さんの思いを一言で表わしていると言います。小学生向けに説明すると、どんな意味になるのでしょう。
「子どもたちは、成績などで、ほかの子と比べられてしまいますよね。自分をよく見せようとして、本当の自分でなくなっていくこともあるのでは。今の子どもたちにも是非ふれてもらいたい言葉です」―(朝日小学生新聞9月21日より)
もうひとつ。
ある雑誌の中で、脳科学者の方が次のように言っていました。
―「相手に勝ちたい」と思うと脳は混乱してしまう。―
人間の脳には、「生きたい」「知りたい」「仲間になりたい」という3つの根源的な本能があり、この3つの本能に逆らう行動をすると迷いが生じます。「敵に勝ちたい」と思うことは「仲間になりたい」という本能に逆らうことになります。したがって、集中力が高まらず、
体に的確な指示を出すことも出来ないので、必然的にかなりの確率でミスが出ます。
たとえばスポーツ選手でも相手を「敵」と認識せず、「自分を高めてくれる大切な仲間」と認識出来た時に初めて結果が出せるといいます。
「相手を倒そう」とか「相手に負けてたまるか」と考えていると、脳は十分に機能せず、独創的なアイデアも、気力も生まれません。たとえ競争相手でも「自分が成功する上で不可欠な仲間」と思うことが結果として勝利に導く第一歩になります。
キッズアースの授業では、学習塾のように子どもたちの成果を、点数化等をして比べることがありません。
もしかすると学習の成果が分かりにくいという不安があるのかもしれませんし、もちろん、現実的に人と競争をするということは、今後の人生において必要な場面がたくさん出てくるでしょう。
しかしながら、前述の方々のご意見と同じく、本当に必要な競争は、人と比べたり争ったりすることではなく、自分自身がそれまでの自分自身をどれくらい乗り越えられて来たかということだと思っています。
わたしたちは、今後の授業の中で、あるいは野外活動の中で、もっともっとそのような場面をつくりだしていきたいと思っています。
キッズアース 小泉 力
]]>夏休み前の話になりますが、私自身も体調を崩し、記憶のある限りでは生まれてはじめて39度の熱を出して医者に行く羽目になりました。
その日は土曜日で、朝から調子が悪かったのですが、当日代わりの先生もいないので取りあえず薬を飲んで授業を始めました。途中から自分でもどんどん体調が悪化して行くのが分かり、カゼであれば子どもたちうつしてはいけないと注意をしつつ、何とか午前中の授業を勢いで切り抜けました。
昔から多少熱を出しても平気なタチだったのですが、さすがに歳のセイか、あるいは高熱のセイか午後の授業は立っているのがキツイと感じるぐらいになっていました。
土曜日の最後、夕方までの授業は4・5年生のクラスです。このクラスはキッズアース開校以来、1年生からずっと通ってくれている子がほとんどのクラスです。
何とか気合いを入れ直して始業の挨拶をした瞬間に、何人かの子どもたちが「先生、顔が真っ赤だよ」「元気ないなあ」などと言い始めたので、私は「ちょっと熱があってキツイけど、今日最後の授業だから大丈夫だよ」と少し強がって見せました。実験の方法等を板書し終わって少し座っていると、ノートを取り終わった子どもたちが「実験は自分たちで進めるから、先生は休んでいていいよ」と、自ら道具を机に準備して、それぞれに役割分担を決めてテキパキと動き、いつも以上に協力をして進めてくれているように見えました。
1年生の時はノートをとるのもやっと、2年生の時には仲間に順番を譲らず怒られ、そして3年生ぐらいになると少し反抗期を迎えて中々言うことを素直に聞いてくれなかったこともあった皆の姿が妙に思い出されて、その子どもたちが今は体調の悪い自分を助け、そしてしっかりと自身の力で考え、仲間と協力をして授業を進行してくれていることを目の当たりにして、その成長ぶりに深い感銘をうけると同時に、気持ちの上で少し体調が回復したような心地さえ覚えました。
人は本当に苦しい時に恩を受けたことは後々まで強く心に残ります。
皆から助けてもらったこと、そして成長してくれたことに心から感謝をしつつ、そして何よりも、自分自身は今回のことを深く反省をして、今後は自己管理をしっかりとして、彼らの恩に報いるべく、これまで以上にしっかりと授業をしていきたいと思います。
キッズアース 小泉 力
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